竹工芸作家の必須心得 道具の手入れ

竹工芸作家への道

今回の竹工芸ブログでは、教室に通い始めてからの最初の課題の小籠がようやく完成した後、マイ道具を手に入れ、その手入れの仕方を学び、そして第二課題の箸と箸置きを完成させる間のことを書いています。
道具をいい状態に整える技術も含めて竹工芸なんだ ということが身に沁み込んだ感じがしています。

いよいよ竹工芸専用のマイ道具を持つ。

第一課題の亀甲編小かごが完成して、次は第二課題です。
私が通っている工房ではその前にとても大事な「 ひと仕事」があります。
それは、自分専用の竹工芸専門道具を持ち、その手入れの仕方を身に付けること。

第一課題の間は教室の道具をお借りして作業します。
第一課題が終わった時点で、竹工芸を更につづけていきたいと思ったら専門の道具を購入しましょう ということになっています。

そのようにされている理由は、それらの道具はそこそこ高価なものであり無駄になってはいけないということと、もうひとつ、なんといいましても使うのは刃物ですので、慣れない間に自分の道具を持って教室以外のところで自主練習してケガをしないようにという配慮からのようです。

過去に第一課題途中の生徒さんが自宅で練習中に大けがをされて竹工芸をやめられたということがあったそうで、現在は自宅での自主練習は第一課題が終わってから解禁! というルールにしているのだそうです。

刃物を整えることも竹工芸のうち

私はこの時初めて知ったのですが、鍛冶屋さんが作った本物の刃物は買ってすぐには使えないのです。使えるように自分で整える作業が必要なのです。
第二課題に進む前の「ひと仕事」という言い方を大げさにおもわれるかもしませんが、
これが案外時間と手間と力が必要でまさに「ひと仕事」なのでした。

刃物というのは切る部分の鋼(はがね)とそれ以外の地金
という二つの異なる金属で出来ていて、鋼が出ていないと切れません。
新品の刃物は一見して鋼が出ているように見えてもそうでないことが多く、研ぎだして切れ味良くする作業が欠かせないのだそうです。
下の写真は研いだ後の小刀の裏面です。白く光って見えるところが鋼、その他が地金。研いで鋼の出方を写真のように均一にして使います。

この時購入した竹割包丁、幅取り小刀、小刀の3通りの刃物毎に求められる切れ具合も異なるので、調整にかなり苦労しました。
私が砥石で研いだ刃物の切れ味を、先生が何度も何度もチェックしてアドバイスしてくれました。

そのごくわずかな差にこだわる姿勢をみて竹工芸をするうえで刃物を整えるということが如何に大事なことなのかを感じました。

そういえば、竹工芸に限らず、ものづくりでもスポーツでも音楽でも、道具の手入れ、大事にすることが上達の必須事項。
そんな話を子供の頃から何回も聞いたように思いますよね。
この日、その言葉が私の中にもう一段深くしみこんだ気がします。

刃物を整える作業も含めて竹工芸なのでしょうね。

↑上から幅取り小刀、竹割包丁、小刀です。

自分専用の刃物の調整も終わり、これからは自宅で自主練習ができるようになったわけです^^
この時、それがとても嬉しかったです(^o^)

竹工芸教室 初級第二課題 にとりかかる

さて、マイ刃物もできあがったところで、いよいよ初級第二課題にとりかかります!
初級第二課題は《箸(はし)と箸置き》です。順にご紹介していきますね。

箸(はし)

編(あみ)はなくて削る作業の練習みたいな課題。
研いだばかりの小刀が大活躍する課題でした。

これが私が初めてつくった竹の箸です。
節の部分をアクセントに残しています。
この節をどのあたりにもってくるかは自由です。

簡単なようでいて、こういうシンプルなものほどアラが出やすいというか、作り手の丁寧さ加減、繊細さが如実に作品に現れるものだと思うのですよね。

私、自慢じゃないのですが大雑把な性格だと自覚しておりまして、、、
これを作ったのは1年ほど前ですが、今あらためてみてみるといろいろとアラがあり、ツッコミどころが多いです・・・。性格通りって感じがします。。。

でも、今そう感じるということは、それだけ進歩したということですよね!

箸置き

ヒゴをくるりんと丸めて結んで形を整えて箸置きをつくりました。
好きな形にできて楽しいです♪

真直ぐで強い箸も柔軟で自由な形の箸置きも同じ竹から作り出せるもの。
硬も軟も、大も小も可能な竹という素材。おもしろくて魅力的です^^

押さえ棒

そして、もうひとつこの時作ったのが押さえ棒。

面取りしたり、厚みを調整したりする際に使うマイ道具のひとつです。
材料を選べたので、私は黒竹を選んで作りました。この渋い色が大好きです。
日々使う道具が自分の好みだとテンション上がりますよね♪

日々使っていると写真のように先端が削れてくるので、削り直しながら使います。

まとめ

ここまでお読みくださり、ありがとうございます!

今回の竹工芸ブログでは、教室に通い始めてからの最初の課題の小籠がようやく完成した後、マイ道具を手に入れ、その手入れの仕方を学び、そして第二課題の箸と箸置きを仕上げる間のことを書いています。
節をアクセントにした自然の風情のある箸と自由な形を愉しめる箸置きづくりは楽しい課題でした。
とても心に残ったのは、道具(特に刃物)の手入れの大事さ、道具をいい状態に整える技術も含めて竹工芸なんだ ということ。

まだまだ奥が深そうな竹工芸道です。

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